
「ぎんぎらぎんのおっちゃん」
ぎんぎらぎんのおっちゃん ②
あぜ道を走った。私は箱を大切に抱いて、二人のあとを追う。まだ落ち込んだ様子のおっちゃんに、私たちは声をかけた。すると突然、おっちゃんが猛スピードで走りだした。 「あんな車より、速いでー!」 手と足をタイヤみたいに回して走るおっちゃんを、私たちはけらけら笑って追いかける。 それからいくらもしないうちに、おっちゃんが遅れはじめた。私はまだ走れそうなのに、おっちゃんが力尽きて、しゃがみ込んでしまった。ぜーぜーと息を切らしている。仕方なく立ち止まった。すると私たちの目の前に、来た道の空がずっと広が