bloco

社会の有るがままを、
世界の有るがままを。

「オクターブの世界」

オクターブの世界 ⑥

 パパは仕事から帰ると、ママにかけよって抱きしめた。  ママは恥ずかしそうに、苦笑いするのが見えた。 「よかったー、ほんとによかった。ママ、見ておくれ。おれが、お払いをしてもらったんだよ、ほら。しかし、効き目あるもんだなあ」  ママをコップの前に連れていって、お札を見せている。  説明する気になれない私は、苦笑いした。  ママは「お料理、したかった」っていって、にこにこしながら、ハンバーグを作った。タっくんと私で料理をはこんで、四人で食べた。 「おいしい。ママの料理、サイコー!」  私が手をつき

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「オクターブの世界」

オクターブの世界 ⑤

    四日目    今日は土曜日だけど、パパは仕事が半日あるといって出かけた。 私たちは少しこげたトーストとハムエッグ、それにサニーレタスのサラダを食べた。食べながらタっくんは新幹線メガネを不思議そうに見ているので、私は夜中に見た光るヒモの話をした。タっくんはただ、静かにうなずきながら聞いている。 「お姉さん、もう一度、挑戦してみます」  長机をキレイにして、タっくんはスライドガラスをゆっくりと置いた。そして深呼吸をすると、渦巻き新幹線メガネをかけた。 スライドガラスの水に、渦巻くレ

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「オクターブの世界」

オクターブの世界 ④

    三日目    次の日の学校の、それは休み時間に起こった。  私はレイちゃんと『ゴジラと熊さん、ラブLOVE』ごっこをしていた。レイちゃんが「ゴジラと♪」といって私を見つめて指さし、私が「熊さん♪」とレイちゃんを横目で見て指さし、二人そろって「ラブ、ラブ~♪」と両手で胸をドッキンドッキンさせたり、足をヒザから激しく上げたりしながら踊る、二人の仲直りダンスごっこ。  これを、最高の笑顔で踊りつづけるんです。  ゴジラと♪、熊さん♪、ラブ、ラブ~♪、ゴジラと♪、熊さん♪、ラブ、ラブ♪

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「オクターブの世界」

オクターブの世界 ③

    二日目    えーと、中途半端なかんじで寝てしまったな。 「ちょっと、タっくん。あなた夕ご飯、また食べなかったの?」  起きてきたタっくんは、お目めスッキリ。 「いいえ。お父さんに、けんちん汁を温めてもらいました」 「そうでしたか。えー、なにかよそよそしくありませんか?」 「いいえ、普通ですが。お姉さんも、同じような感じですよ」 「いや、私は、ついつい口調を合わせてしまう人ですから」  あー、なんかやりずらいな。  タっくんはすぐ机に向かって、なにやら描きはじめた。画用紙に定規を使って、

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「オクターブの世界」

オクターブの世界 ②

    一日目    始業式が終わったあとの教室で、クラスの友達は元気いっぱい。海に行ったとか、ディズニーランドに行ったとか、山でキャンプしたとか。たくさんの思い出が飛びかっちゃってます。  私は、といえば。ママが家からいなくなったことを、話したほうがいいのかな? 例えば、仲のいい友達にだけはとか。どうなんだろう。話さないでいると、なんだか、とても大きな秘密を隠しているような気になって、普通でいられない。  例えばさっき、仲良しのレイちゃんが、怖い顔してきたでしょ。 「あー、あー、モエ

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「オクターブの世界」

オクターブの世界 ①

    モエとタっくん「オクターブの世界」      始まりの日    夏休み最後の日ですよ、パパが驚いた顔してコップを手に持って。 「ママがコップの中に吸い込まれちゃった!」って。  そりゃタっくんはびっくり仰天。いまにもパチンって泣きだしちゃいそうなシワくちゃの顔して、コップの中をのぞき込んで。  それがパパの優しいウソだと分かったので、私は一緒に驚いたふりをしました。タっくんはまだ三年生だから、本当のことをいうのは可哀想だよね。私はもう四年生だし、『モエちゃん

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変わってゆく社会に、足りないものを思いついたら、まずは作ってみる。
Webサイト制作やランディングページ制作。動画制作、ドローン空撮などなど。未来に関することの全般がお仕事です。

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