
オクターブの世界 ⑥
パパは仕事から帰ると、ママにかけよって抱きしめた。 ママは恥ずかしそうに、苦笑いするのが見えた。 「よかったー、ほんとによかった。ママ、見ておくれ。おれが、お払いをしてもらったんだよ、ほら。しかし、効き目あるもんだなあ」 ママをコップの前に連れていって、お札を見せている。 説明する気になれない私は、苦笑いした。 ママは「お料理、したかった」っていって、にこにこしながら、ハンバーグを作った。タっくんと私で料理をはこんで、四人で食べた。 「おいしい。ママの料理、サイコー!」 私が手をつき