コロナによる深刻な企業実態
新型コロナの感染者数が連日報道される、令和2年の夏。
大企業の大赤字が報じられても、飲食店や観光業の惨状が伝えられても、どこかまだ別の離れたところの話と感じている人たちが多いのかもしれません。
しかしこの秋から来年へかけて、非正規のみならず正社員さえも次々と首を切られていく事態になるのではと懸念されています。
その根拠として、正社員を整理解雇(リストラ)できるとされる判例から導かれた「4要件」というものがあります。
そして業績の悪化によりこの4要件を満たしてしまった状態の中小企業が、すでに多く存在しているといわれています。
正社員を解雇できる「4要件」とは
整理解雇(リストラ)の4要件とは、以下になります。
① 人員削減の必要性
企業の経営状態等から客観的にみて、会社の維持存続に人員削減が必要か。
② 解雇回避努力義務の履行
新卒採用を見送るなど、既存労働者の解雇回避努力をしているか。
③ 被解雇者選定の合理性
合理的な選定基準を定め、公平公正に被解雇者を選定しているか。
④ 手続の妥当性
労働協約や就業規則に則り、信義誠実に解雇の必要性や理由を説明したか。
例えばニュースで大手の企業名を挙げて「来年度の新卒採用の見送りを決定」などと報道されれば、その企業は4要件のうちの「②」を満たしている可能性があります。
さらに政府が成長戦略を転換
過酷さを増すコロナ禍の経済状況に追い打ちをかけるような、政府の方針転換のニュースが流れました。
「中小企業減」容認へ、成長戦略で転換 新陳代謝促す
2020/7/21 20:02日本経済新聞
政府は中小企業数の維持を狙った従来目標を見直す。これまで掲げてきた「開業率が廃業率を上回る」との表現を近くまとめる2020年の成長戦略から削る。中小企業は新型コロナウイルス禍で経営環境の厳しさが増している。統廃合を含めて新陳代謝を促し、全体の生産性向上をめざす方針に改める。
政府は、中小企業の倒産や廃業を容認する方向に舵を切ります。
これまで政府が中小企業の数を維持・増加するとしてきた方針のもと、コロナ禍での支援金や補助金等の支援援助策が打たれてきました。
この方針転換により、中小企業への支援金や補助金等が打ち切られていくことも考えられ、さらにこの政府転換は、日本政策金融公庫や銀行・信用金庫などの融資判断にも影響を与える可能性があります。
解雇通知書が届いてしまったら
企業が経済状況の悪化による経営難や、判例により求められてきた要件を満たし、正当な手続きを経て、あなたを解雇してきたら。
会社がやむを得ず、切羽詰まって解雇を通告したとしても、労働者として正当な権利の主張をすることができます。
ましてや不当解雇だとあなたが考えるのであれば、根拠となる法律の条文をあげて会社に対し主張したいところです。
労働者一人ひとりが様々な事情や個別の権利主張を抱え、それらの求めに柔軟に対応できる手段が「内容証明書」です。
どう考えても訴訟に発展するだろうケースは別として、多くの場合には内容証明書の発送で解決に向けた会社側の反応を引き出せます。
コロナ禍で中小企業の経営者の方々は本当に困っていますが、それでも労働者としての権利は求めさせてもらいましょう。
行政書士の作成する内容証明書は弁護士に依頼するよりも安く済むだろうことが考えられ、それでいて法律専門家の名の入った内容証明書ですから、受けた会社側に「安易な対応はできない」という心理的プレッシャーが惹起します。
内容証明書の作成報酬は、各士業のホームページをよく見て下さい。
内容証明書は発送するまでの郵便局へ支払う実費、配達証明の実費など、表示された報酬価格よりさらにプラスされる可能性があります。
当事務所ではユーザビリティを重視して、もろもろの実費込みで報酬額を提示しています。
https://immigrationlawyer.jp/administrative-scrivener-office/retirement-agency/against-dismissal/
よかったら参考にしてみてください。