
「縁の下のブー」⑦
夜の夕立は、僕たちや町中をずぶ濡れにしたあと、ばかみたいに降りだしたのと同じように、うそみたいに止んだ。僕たちの、ばかみたいな泣き声は、雨音にならって、うそみたいに止んでいった。縁側からの水滴が、下の水溜りに落ちた。その音と同時に、ひくっと僕は痙攣した。 雲が晴れたみたいだ。ノブオやタツヤや、ブタ夫や子猫たちが見えた。服は濡れて、寒かった。子猫たちを、僕の服の濡れていないところを見つけて、拭いてやった。 雨が止めば、また静かな境内だった。風の音だけが聞こえる。それと合わせて、何か騒々しいよ